「愛梨亜?」
『…え?』
不思議そうな声が聞こえて、我に帰ると、横から安倍くんが覗きこんで来てる。
『…何?』
「何はこっちのセリフだよ~!どうした?ぼーっとして!」
『別に…。っていうか近い』
安倍くんの顔を手で軽く押し退ける。
「2人とも何やってんの~!?先行っちゃうよ!」
『今、行く~!』
「あ!待ってよ!!」
いつの間にか結構前を歩いてたサチに呼ばれてあたし達は小走りでそっちに向かう。
「あ~、お父さんどうにか機嫌直させなきゃな~…」
ライヴデートが掛かってるサチはさっきからそればっかり言ってる。
「俺も送ってく時に何か言おうか?」
「う~ん、でも男見るとお父さん不機嫌になりそうだしな~…」
「あ、見ろよ!!」
深刻に話してる2人と違うテンションでちょっと前を歩いてた安倍くんがお店に貼ってある何かのチラシを指差す。

