「あ~超歌った!げっ!親から電話来てる!!」
カラオケから出た時には外はもう真っ暗。
あの後、歌い足りなかったらしいサチと安倍くんが時間延長したしね。
まぁ、帰りたく無かったから良いけど…。
『はぁ…』
開いた携帯の着信履歴を見ながら思わずため息をつく。
「愛梨亜は親大丈夫?」
『あ…あ、うん。別に…』
いつの間にか横に居た安倍くんに返事をしながら携帯を閉じる。
「うんうん、今から帰るから。分かってるって!うん、じゃあね。ふ~…もう、何でお父さん今日に限って早いのよ!」
電話を切ってすぐ、携帯に向かって言うサチ。
「電話お父さんだったの?」
「そっ!最近娘とクリスマス過ごせないからって拗ねてるからさ!機嫌損ねると面倒くさいし早く帰ろ!!」
そう言って自然な感じで林くんが出した手を取って歩き始めた。
サチは三人兄妹の末っ子で、しかも唯一の女の子。
だからお父さんが凄い可愛がってるみたい。
あたしは一人っ子だけど…もし…パパが生きてたらうちもそうだったのかな…。

