「あらっ、愛ちゃん。」 拓也のお姉さんの裕美さんだった。 緊張がほぐれ、大きく息をはく。 「拓也?今呼んであげよっか?」 「はい…っ」 愛は少し力を込めて言った。 玄関の中で待っていると、 「ごめんねぇ、愛ちゃん。拓也今居ないみたい。」 「え…」 こんな朝早くに?部活はないはずだし…。 「分かりました。ありがとうございます。」 裕美さんにお礼を言うと愛は外に出た。