「早くご飯食べちゃって。土曜日だからって、ダラダラしないで。」 食べる気力はなかった。 「いらない。」 「まぁ、要らないの?珍しい、ダイエット?」 「違うよ。」 部屋に戻り、花柄のワンピースに着替えて再びリビングに出てくると、キッチンからお母さんが顔を出した。 「あ、そういえばさっき拓也くんから電話あったわよ。“愛さんがケータイにでないんです”って、さっさと電話してやんなさい。」 「やだ」の一言言い捨てると愛は玄関に向かった。