「やっぱり?」

ちょっとからかっただけなのに
すげえ睨まれた


「うそ、可愛い」

結構がちで言ったのに海は無視
なんか俺今日楽しくねえ


「なあ、楽しい?」

「まあ」

まあ?人が笑わしてやるって
言って頑張ってんのに
その返事はねえだろ~よ


「まあ?」

「うん」


その、そっけない返事は
なんかいらっとした



「なあ、笑う気あんの?」

「ある」

「で、それ?」

「それ?」


淡々とした口調
淡々とした目


「だから!
笑う気あんのかって聞いてんだ!
笑いたいって思うんだったら
楽しくなろうとかしねえのかよ
全部人任せか?なあ!
ふざけんな!
俺はお前の専属芸人じゃねえぞ」


「努力してる…」


「しててそれかよ!
そんなんじゃ一生笑えねえよ!」


やばいと思った時には遅かった

自分の口からは次々と
ひどい言葉が飛び出していく


笑わせられない自分と
どうしていいかわからないのと
口が止まらない自分に腹が立って

ゴミ箱を蹴った


周りの目は俺らに向く

ひそひそと話す声が聞こえる


「おい!」


何も言い返さない海


うつむいて何も言わない


「海?」