「ピーンポーン」
家のチャイムが鳴った。
私は黙ってむくっと起き上がり
玄関を開けた。
 
「カホちゃん…!!」
マツミおばちゃん。
私を心配して来てくれたみたいだった。

「カホちゃん…大丈夫?」

「うん…」
私は力なく微笑んだ。

「これ、煮物作ったから今晩食べて。
あとね、カホちゃんに渡したいものがあるの。」

おばちゃんはしわの入った茶封筒を私にくれた。
表面には、何も書かれていない。
裏面を見てみると、

「おばあちゃんより」
懐かしい字体で、そう書かれていた。