私を見つめる瞳にも
私を呼ぶ声にも
そして、繋いだ手にも
数カ月後には、
私はすっかり慣れてしまった。
並んで歩くのが当たり前。
隣にいるのが当たり前。
休みの日は、一緒に過ごすのが当たり前。
航くんのいる生活が、当たり前……
気がついたら、航くんのことばかり考えてしまうし、
会えるのを楽しみにしている自分がいた。
今度は、そんな自分の変化に戸惑ったんだっけ。
会えば嬉しいのに、
別れるときはすごく悲しい。
でも、そんなことを素直に表現できるわけもなく、
伝える術もわからない。
生まれて初めての感情に、
私はすごく混乱していた。
思えば、
もうこのときには、
私は十分に“恋”してたんだ。

