「ねぇ、みーちゃん。聞いてもいい?」



……やっぱりなぁ、って思った。


日曜日の夜。


家に帰ってすぐに、まどかが部屋をノックした。



「なに?」



ドアを開けて中に招き入れながら、私は素っ気なく聞く。


本当はわかっているくせに。


私って、嫌なやつだなぁ。



「あの…帰ってきて早々にごめんね」



所在なさげに立ち尽くしたまま、申し訳なさそうに謝るまどか。


明らかに目が泳いでいるし、落ち着かない様子。



「あの……」



すごく言いにくそうにもじもじしている。


まどからしくない。


私が…切り出したほうがいいのかな?


でも、なんて?


気まずい沈黙の中、ようやくまどかが口を開いた。



「みーちゃんの彼氏って、コウちゃんなの?」