……失恋、かぁ。


っていうか、そもそもこれは恋だったのかな?


それすらわからないまま。


諦めるしかないよね……






あの後も、


悟先輩の話は続いた。


わかったのは、


水沢先輩の彼女は本当に素敵な人で、

先輩は彼女のことを深く想っているということ。


そして、誰もが…あの悟先輩までもが羨むくらい、
ふたりはうまくいっているということ。


……入り込む隙間なんてない。


はぁっ。


こんなに落ち込んでしまうということは……


私はやっぱり、先輩に恋してたんだなぁ。



「ただいまぁ」



重い足取りを引きずるように、家に帰った。



「おかえりなさい」



笑顔で迎えてくれたのは……