迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*上*





悟先輩は、まっすぐに私を見て言ったんだ。



「アイツは、やめたほうがいい。」



「どういう意味……ですか?」



自分の顔が強張るのがわかった。


突然、何?


そういえば、エリカちゃんのお姉ちゃんも、そんなようなことを言ってたんだよね?


未だに理由は教えてくれないらしいけど……



「ま、そのうちわかるよ」



にかっと笑った悟先輩は、
すっかりいつもの調子に戻っていた。


……なんだったんだろう?


今のは、幻?


首をひねって考えていると、
いつのまにか水沢先輩が戻ってきた。



「あ、悟。この前のことだけど……」



そして、悟先輩と話し始める。


楽しそうに談笑するふたり。
すぐとなりで…一番近くで眺める私。


最近のお気に入りの時間。