悟先輩は、まっすぐに私を見て言ったんだ。
「アイツは、やめたほうがいい。」
「どういう意味……ですか?」
自分の顔が強張るのがわかった。
突然、何?
そういえば、エリカちゃんのお姉ちゃんも、そんなようなことを言ってたんだよね?
未だに理由は教えてくれないらしいけど……
「ま、そのうちわかるよ」
にかっと笑った悟先輩は、
すっかりいつもの調子に戻っていた。
……なんだったんだろう?
今のは、幻?
首をひねって考えていると、
いつのまにか水沢先輩が戻ってきた。
「あ、悟。この前のことだけど……」
そして、悟先輩と話し始める。
楽しそうに談笑するふたり。
すぐとなりで…一番近くで眺める私。
最近のお気に入りの時間。

