「おはようございます。お嬢様。」
たくさんのメイドたちが一人の少女に向かって言った。
「おはよう。みんな。お母様はもうリビングに?」
「ええ。奥様とご主人様はリビングで綾香お嬢様をお待ちです。」
40歳くらいの女のメイドが綾香に言った。
綾香とはこの家の一人娘のことだった。
綾香が住んでいるこの水波家は日本屈指の水波銀行を営んでいる。
綾香は水波財閥の一人娘として暮らしている。
「おはようございます。お母様、お父様。」
「おはよう。綾香。今日から高校生だな。」
綾香の父親水波大介が言った。大介は水波銀行を一代にして築きあげた人。
「やっぱり、国立の伊集院高校は良いですね。やっぱりちゃんとした血筋が流れている人たちが暮らしているんですもの。」


そのころ…とあるボロアパートにて
「おはよう!母さん!っていないんだ・・・」
ボロアパートの中には一人の少年がいた。
「たく、あの馬鹿父親出稼ぎとか言ってどうせ女と遊んでるくせに。いまさらあきらめたって意味ないしな。」