数日後



「澄香ちゃんっ、見てー!」


朝、自分の部屋で
制服に着替えている澄香の部屋に、
勢いよく真梨子が入ってきた。

いつも必ずノックをして『入っていい?』と尋ねる真梨子。

だが、
今日は突然に入ってきた。

こんなことは初めてで、
澄香は、とてもびっくりしてしまう。

びっくりしている澄香をヨソに、
真梨子は、
とっても嬉しそうにはしゃいでいる。

「ど、どうしたの?


尋ねる澄香に、
真梨子は、
小さな靴を見せた。

一歳か二歳の子どもが履く様な
可愛らしい
とっても小さな靴。


「えっ?」

「可愛いでしょう!」

「うん…可愛い…
ん?」

「生まれてくる赤ちゃんにと思ってねっ♪
まだっ、男の子か女の子かわからないんだけどねっ」

真梨子は、
とっても嬉しそうにしている。

「えっ!?」

澄香は、
一瞬、意味がわからなかったが、
次の瞬間、
この間の真梨子の苦しそうだった様子を思い出した。

「あぁ!」

― あれは、つわりってやつだったのかぁ! ―

「真梨子お姉ちゃんっ、赤ちゃんっ!?
わぁー!おめでとう!!」

澄香は、
真梨子の手を握り、
飛び跳ねて大喜びした。