澄香の高校生活は、
修斗のお陰でスムーズに流れた。

入学式のときの様に
変なことを言ってくる人は誰もいなく…

まぁ

いなくなったが、
澄香と仲良くなろうというつもりもない様で、
話しかけてくる者もいなくて

― はぁ…
どういうこっちゃいな ―


修斗と仂哉は、
慶蘭高校在学時、
とても目立つ存在だった様で、
二人が知らずとも、
周りは知るという存在だった様で…

男子は恐れ敬い、

女子は、
ファンクラブを作ったり、
本気で片想いしたりと…

修斗と仂哉は、
伝説の二人らしい。


二人が卒業した今も
その名残があり、
未だ好きになる後輩女子もいるそうだ。


なので、
男子は二人に従って、澄香に何もしない。

で、
女子は、
二人に嫌われたくないので
澄香に何もしないだけ。
二人に特別扱いの澄香をやっかみ近寄らない

ということなのであり…


― 複雑だわ…

まっ、いいけどねっ

帰ろっと ―


澄香は、
今日も一人、
無事といえば無事に
下校した。