「澄香~」

園の玄関から呼ぶ声に、澄香は、玄関へと駆けた。

「おう!澄香」

駆けてきた澄香に、修斗は、満面の笑顔を投げ掛ける。

澄香も、満面の笑顔をする。

「ほれっ」

修斗は、持ってきた可愛らしい箱包みを、恥ずかしさに、ぶっきらぼうな手つきで澄香に差し出した。

澄香は、不思議そうに見つめる。

「ほれっ」

修斗は、再び言った。

意味がわからない澄香は、ただじっと見てるだけ。

「あげる!」

修斗は、更に手を差し出した。

そして、
照れながら、小さく言った。

「…お誕生日…おめでとう」

意味がわかった澄香は、満面の笑みをした。

「…ありがとう…」

小さく言った澄香に、視線を外しながらも満足げに、そして、得意げに微笑む修斗。

そんな修斗に微笑みながら、澄香は、差し出した修斗のプレゼントに、そっと、手を差し延べた。