「そう、コロンちゃん」


「可愛い…」


澄香は、小さな声で呟くと、そっとしゃがみ込んで、自分の足下へとまとわりつく子犬を、そっと優しくなでた。


ブランコの揺れる音だけが響く、静かな時間(トキ)が流れる。


「あっ…」


澄香は、思わず呟いた。


覚えのある香りに、
思わず呟く。


「おばあちゃん……
サンタさんと同じ匂い……」


「ん?」


囁く様な声で言った澄香に、おばあちゃんは、聞こえなかった様で、不思議そうに微笑んでいた ………