澄香 三歳



「あら可愛い!澄香ちゃん」

養護施設【さくら園】の先生たちが、声をかけながら目を細める。

真っ赤な着物を着せてもらった澄香は、
園長先生に手を引かれながら、
園から外へと歩いていく。


「わぁ~いいお天気ねぇ~。良かったねぇ~澄香ちゃん」


声をかける園長先生に
少しはにかみを見せながらもおすましする澄香。

晴れ着のせいか。
自分の七五三で、
機嫌が良いのか。


そんな澄香に
園長先生や先生たちが、微笑みを送る。



快晴の中、

澄香は、園長先生に手を引かれて、
先生たちと一緒に、
ゆっくりとゆっくりと
近くの神社へと向かって、歩いていった。