今まで現実から逃げて、目を背けてただけなのに…。
“因みに、コレのオプションで煌とのキスは?”
“んー、亜紀さん綺麗ですしね”
「・・・っ」
BGMに乗せて届いた会話に、胸がギュっと掴まれたように痛んだ。
こういう時に虚勢を張って誤魔化そうと、必死にお店に来る女の行動を観察して。
それを実践して、煌ちゃんの気を繋ぎとめていたかったけど。
以前と態度が変わっていた時点で、もう用無しだったのね・・・
「…伽耶ちゃん?」
「っ、あ、コンタクトが…っ」
頬を一筋伝った涙に気づかれて、慌てて瞳を拭おうとしたのに。
「我慢しないでいいよ」
「ちょ、た、武田さん…!」
スツールごと私の方へ向いた彼に引き寄せられ、私は傾れ込むように収められてしまう。

