貴方で酔わせて。-オトナの事情-



溜め息をつこうにも、武田さんが居る手前ソレは憚られて。


ただチラチラと、煌ちゃんの姿を窺い見る事だけで精一杯だ…。




「そうそう、伽耶ちゃん“セブンス・ヘブン”って、飲んだ事あった?」


「いえ、私は大体オン・ザ・ロックなので」


「へー…」


カクテルも好きだけど、純粋にお酒の味が分かるロックが好きだから。


昨日のように、知ったかぶられるとイラッとしてしまうのだ。



「伽耶ちゃんを落とすには、ソッチを極めなきゃダメか…」


「どうでしょうね…」


「ソコを流すなよ」


こんな会話を繰り広げようが、煌ちゃんはいつも知らんぷりで。


私が武田さんと現れた時の、迷惑加減も表れてたし。




“お待たせしました、“キッス・オブ・ファイヤー”です”


相変わらず、女性客に向ける笑顔をちりばめた表情だってそうよ。



煌ちゃんの関心は、何時からか私には無くなっていたのに・・・