貴方で酔わせて。-オトナの事情-



仕事は終わったという言葉に、そこでようやくハッとした私。


恐る恐るカウンターへと視線を向ければ、淡々とカクテルをシェイクする煌ちゃんを捉えて。



「・・・っ」

ふとこちらを一瞥した彼の眼差しで、一気に居た堪れなさが蔓延する。


今日はダメな木曜日だからでしょ――?



「…伽耶ちゃん?」

鎮座するお酒を眺めているように映ったのか。



「あ、いえ…、今日はカクテルにします」


覗き込んで来た武田さんに尋ねられ、私は慌てて頭を振った。



「それじゃあ、俺のオススメ頼ませて」


「・・・え」


「セブンス・ヘブンとソルティードッグ」


やっぱり強引らしい彼は返答を待たずに、煌ちゃんへ注文してしまう。


そういえばリベンジとか言っていたし、下手に何か言わない方が得策だ。



この息苦しい時間は、早く終わらせたい・・・