貴方で酔わせて。-オトナの事情-



いつも入店する時は、一日仕事を終えた安堵感と煌ちゃんに会える嬉しさで。


凄く晴れやかな気分で、来ているというのに…。




「…いらっしゃいませ」


昨日退治した勘違い男と私の姿に、一瞬だけ眉を顰めた煌ちゃん。



「どーも」


「…こ、こんばんは」


やましい事も無ければ、ビクビクする必要も無いのに。


カウンターで黙々とカクテルを作る彼の目が見られず、武田さんの隣の席へついた。



「何にする?」


「…早く、片付けませんか?」


何を飲むか尋ねられた私は、首を振って一刻も早く終えたいばかりで。



「んー、そうするか」


「――それでは、ご覧頂きたいのが…」


やっぱり軽い武田さんの反応にウンザリしつつも、資料とレジメを2人の間に広げた。