コトンとテーブル上にグラスを置いてから、ゆっくりと体を捩って隣の男を初めて見た。
目が合った瞬間、“落とす”気アリアリな心の内が表れてたから。
スリット入りのスカートから伸びた足を、ワザと見せるように組み変えた。
もちろん、男の心理をさらに探るため――
すると相手の視線が追うのは、狙い通りに生足へと向かった。
あまりに自信満々で笑うから、男が次に取るであろう行動も読み取れる。
「ブランデーなんて似合わない」
上品なピンクベージュのネイルを施した手が触れる、琥珀色の液体を一瞥されて。
「…そう?」
薄暗いカウンターでも、艶めくリキッドルージュを彩った口元をふっと緩めた私。