貴方で酔わせて。-オトナの事情-



倒れた私が目を覚ました時、目の前に広がっていたのは真っ白な天井。


力の入らない左腕には、点滴がぶら下がっていた状況に驚くよりもまず。




“伽耶、大丈夫か?”


“お、折原さ、ん…”


ベッドに眠る私の傍らにいた、煌ちゃんに息を呑んでしまった。



“あー…、本気で焦った”


綺麗な顔を歪めて覗き込む彼にコクコク頷けば、大きな溜め息をつかれて。


客として最悪な事をしたと、遅すぎる後悔が浮かんだ。



“お、折原さん…、お店は…?”


“ユウに任せて来た。もうすぐ閉店時間だし”


気にするなと言うように、笑ってくれた彼に罪悪感だけが渦巻いて。



“す、すみません…でした…っ”


謝ろうとすれば、不自由な身体のせいか涙が頬を伝ってしまった。