10月半ばともなると、ちょっと冷え込む。 もうすぐ冬かー……。 日が沈んでいく空を見上げて、そんな事を思った。 オレンジと青が混じった、不気味な空だった。 「やりすぎた…」 そう呟いてクラブを出たのは、空が黒く染まった夜。 クラブで相当踊ったあたしは、普段飲まないお酒を飲んだ。 そのせいで足元は覚束無いし、頭はクラクラする。 「はぁー…」 溜め息を吐きながら、何やら騒がしい大通りに出た。