ケモノ微熱38℃



「はぁー…」



もう歩くしかないわ。


遅刻決定なのに、廊下を猛ダッシュするとか無意味。


つーか、無駄に汗掻いて終わり。みたいなね。



「遅刻してすいません」



遅刻な訳だから後ろのドアから入って、古文の授業をしている老人センセイに謝ってみる。



「あぁ、はいはい。席に座ってくださいねー」



のんびりとした口調で話すセンセイにホッとしつつ、席に着きながらチラリと麻由子に視線を移す。



「あれ……?」



てっきり睨んでると思ってたのに、麻由子の席には誰もいない。