「はぁー…」 もう歩くしかないわ。 遅刻決定なのに、廊下を猛ダッシュするとか無意味。 つーか、無駄に汗掻いて終わり。みたいなね。 「遅刻してすいません」 遅刻な訳だから後ろのドアから入って、古文の授業をしている老人センセイに謝ってみる。 「あぁ、はいはい。席に座ってくださいねー」 のんびりとした口調で話すセンセイにホッとしつつ、席に着きながらチラリと麻由子に視線を移す。 「あれ……?」 てっきり睨んでると思ってたのに、麻由子の席には誰もいない。