あたしからしたら迷惑以外の何者でもないけどね。 「着いたぞ」 「ありがと!」 「帰り、迎え来るからな」 カバンを持って、走って校門を抜けるあたしの後ろから聞こえた緋呂の声に、返事をしながらさらに走る。 無駄に広い運動場のせいで、昇降口に着く頃には息が切れていた。 ハァー……。 久しぶりにこんなに走った……! さすがに疲れたかも……。 上履きに履き替えながら、何とか息を落ち着かせて。 「うわっ!完璧遅刻じゃん!」 壁に掛かった時計が示すのは9時15分。