ケモノ微熱38℃



あたしからしたら迷惑以外の何者でもないけどね。



「着いたぞ」

「ありがと!」

「帰り、迎え来るからな」



カバンを持って、走って校門を抜けるあたしの後ろから聞こえた緋呂の声に、返事をしながらさらに走る。


無駄に広い運動場のせいで、昇降口に着く頃には息が切れていた。


ハァー……。


久しぶりにこんなに走った……!


さすがに疲れたかも……。


上履きに履き替えながら、何とか息を落ち着かせて。



「うわっ!完璧遅刻じゃん!」



壁に掛かった時計が示すのは9時15分。