BARの外では既に緋呂がバイクに跨っていて、2人分のカバンを渡すと、ヘルメットが投げられる。 危なげなくキャッチして、バイクに跨って緋呂の腰に手を回す。 「遅刻やだー!」 「起こしても起きねぇお前が悪い」 「もっと頑張ってよ!」 「何でだよ……」 「だって遅刻だよ!?」 バイクはスピード全開で走っていて、振り落とされないように必死にしがみつく。 大声で言い合いしながら走るバイクに、みんなの視線が集まっているのは気が付かないフリ。