ケモノ微熱38℃



BARの外では既に緋呂がバイクに跨っていて、2人分のカバンを渡すと、ヘルメットが投げられる。


危なげなくキャッチして、バイクに跨って緋呂の腰に手を回す。



「遅刻やだー!」

「起こしても起きねぇお前が悪い」

「もっと頑張ってよ!」

「何でだよ……」

「だって遅刻だよ!?」



バイクはスピード全開で走っていて、振り落とされないように必死にしがみつく。


大声で言い合いしながら走るバイクに、みんなの視線が集まっているのは気が付かないフリ。