ケモノ微熱38℃



なのに大急ぎで準備を始めるあたし。


アホだって自分でわかってるから!


でもさ!遅刻したらみんなの注目浴びちゃうじゃん!?


昨日の今日だから、あんまり注目は浴びたくないわけで……。


緋呂に言っても分かってもらえないかもしんないけど。


あたしは別に誰の注目も浴びずに、ただ普通に暮らしていけたら、それだけでいいんだよね。



「ほら、パン食え」

「あーい!」



冷蔵庫の中から引っ張り出してきたのか、冷たいサンドイッチを緋呂から受け取った。


あ、ケータイ!


慌ててカバンの中に入れて、それを持ってサンドイッチを食べながら部屋を出る。