なのに大急ぎで準備を始めるあたし。
アホだって自分でわかってるから!
でもさ!遅刻したらみんなの注目浴びちゃうじゃん!?
昨日の今日だから、あんまり注目は浴びたくないわけで……。
緋呂に言っても分かってもらえないかもしんないけど。
あたしは別に誰の注目も浴びずに、ただ普通に暮らしていけたら、それだけでいいんだよね。
「ほら、パン食え」
「あーい!」
冷蔵庫の中から引っ張り出してきたのか、冷たいサンドイッチを緋呂から受け取った。
あ、ケータイ!
慌ててカバンの中に入れて、それを持ってサンドイッチを食べながら部屋を出る。



