あたしを見てニコニコと笑う影虎。 「カゲ、早くしろ」 「うるさいよ、緋呂」 「あ?付いて来てやっただけでも、感謝しろ」 …………なんて自己チューな。 緋呂と呼ばれた男は、昨日あたしをソイツ呼ばわりした影虎にそっくりな男。 同じアッシュグレイのアシメで、同じように整った綺麗な顔。 こんな奇跡みたいな顔が2つもあるなんて……。 カミサマって不公平。 「おら、行くぞ」 影虎と話してたはずなのに、緋呂の視線はあたしに向けられていた。