そんな風にちょっぴりセチメンタルな事を考えていたあたしを、



「カゲ!」



怒鳴り声にも聞こえる低い声が現実に引き戻す。



「何」


「ソイツ、何で連れてきた」



そ……“ソイツ”!?


突然階段から顔を見せたヤツは、あたしを指さす。


は……………?


あり得ない事に、階段の彼と目の前の彼は瓜二つだった。



「放っておけないだろ」


「ありえねぇ」


「だから?俺この子送ってく」



唯一違っていた雰囲気に、あたしは圧倒された。