だけど、これが最後なのだから、それでもいいんだと思う。


ママにも夜の友だちにも話すことなんてできなかった。


なのに、彼が優しい声で



「どうして?」



なんて言うから、あたしの口は無意識に動き出した。



「あたし、イジメられてんの」


「え?」



さっきとは違って、意味がわからないというように出された声。



「って言っても、ジャージがなくなったり、ローファー隠されたりするくらいだけど」



やってるのは麻由子だってわかってる。