ちゃんと顔見るのは、これが初めて。


アッシュグレイのアシメで、二重の目は切れ長。


鼻筋はスッと通ってて、唇は赤みが薄い。


どのパーツも綺麗で、すっごい美男子。



「ん?俺の顔、何か付いてる?」


「あ、ううん…」


「そう?」



頻《しき》りに自分の顔を気にしてたけど、ただ顔を見ていただけで、何かが付いてたわけじゃない。


これ以上見続けるのも悪いから、貰ったミルクティーを飲んだ。


途轍もないスピードのバイクに乗っていたせいで冷え切った体に、温かさが微かに戻る。