恋人は主治医





「体調大丈夫か」



優くんが様子を見にきた



「こっちこないで…」


小さな声で言った



「どうしたんだよ」


私に近付いて来る


「だからこないでって言ってるじゃん 」




泣きながら暴れた


点滴台とかを倒して



「何があったんだよ落ち着けって 」



「ハァ ハァ ハァ
落ち着けないよ

熱だって下がんないし」



両肩を掴まれた



「そこで暴れたら下がるものもさがらないだろ

点滴までとって呼吸も乱れて何してんだよ

また悪化したいのか

ほらこんなにぐったりして
もう暴れる元気はないはずだろう」




優くんの胸に全体重を預けた



「ごめんなさい…」



「謝んなくていいよ

苦しいのは分かってるから」



頭を優しく撫でてくれる



「ベッドに横になろう…」


「うん」


ベッドに寝かせてくれた


「点滴外れたから

俺、とってくるな 」




待って行かないで


白衣の裾を無意識に掴んじゃった



「 どうした?」


「やだ行かないで… 」


「……分かったよ

側に居るから大丈夫」




「わがまま言ってごめんね」




「心優の我儘には慣れてるよ」