恋人は主治医




向かった病室はまた個室




「別にいつも個室じゃなくて良いのに 」



「俺が個室のほうが都合良いんだよな」




「何で 」



「いつでもキスできるし 」



「優くんのバカ」




「うるせぇな


しかも静かなほうが好きだろ

うるさいの嫌いじゃなかったか 」





「機械とかうるさいのは嫌かな


自分が病気ってこと思い知らされるし 」




「じゃあこれからも個室でいいな」





「これからって

もう退院したら戻ってきませんよーだ 」





「そうだな

戻ってこないように頑張ろうな」





「退院して優くんに会える時間が少なくなるのは寂しいけどね」




「大丈夫

休みの日は毎回会いに行くよ」



「ありがとう

でも疲れてる時はちゃんと休んでね」




「分かったよ


心優、今日調子良さそうだから

久し振りに外にでも出る?」





「本当?外行きたい

外の空気気持ち良いし思いっきり吸いたい 」




「じゃあ行くか

一般病棟に移ったばかりだけどICUに居たからストレス溜まってるだろうし」



「行く行くー」




「でも走ることだけはまだ絶対するなよ 」




「分かった、大丈夫」