大抵の店に行けば、逆ナンされるのがオチ。


誘われれば行く…、だが、その気が失せてしまったのは何時からか――…




「ねぇ、抜け出さない?」


ガヤガヤと煩い居酒屋の中で、オンナの顔を見せて誘われれば。


お酒の酔いも相俟って、以前ならば“その場限り”を楽しんでいたというのに。



「…今度会った時に」


「それなら、いつ会える?」


「さぁ・・・」


割り切ったスタンスでいようにも、色気を前面に出す女に欲情出来ない。


それどころか。


無垢な笑顔を思い出しては、自身に嫌気がさしていた。