正確でいて素早い処理能力…、そして如何に効率よく進めるか――


今までソレを、主な判断基準にしていたというのに。



果たして、ソレだけで本当に良いのか…?


そう尋ねられれば、この頃から自身の考えを肯定出来なくなり。




「鈴ー」


「んー?」

同僚たちと楽しそうに話す幼い容姿の女の子。


経理部に所属する、ただの部下のうちの1人。



「ココ!ケタが違うでしょ…」


「あー…、またやっちゃった…」


「ホントにもう…」


そして手を煩わせる、職場イチの問題児。

…だというのに。



「ありがと涼子。大好き!」


「ハイハイ」


アノ日の言葉と笑顔が、俺の何かを変えた瞬間らしい…――