「鈴ちゃん、今日から私が教える事になったから」
「え、と…」
そうして1週間後、突然の言葉に目を丸くする斉藤さんの姿を捉えた。
「ちょっとー、美紀でしょ?先輩の名前くらい覚えてよ」
「ややっ、違いますよ…!その…」
「細かい事は気にしないで良いの!
ソレなりにビシバシ!扱くから覚悟してねー?」
勢いでねじ伏せた先輩の朝倉さんに、何かを聞きたそうにしているが。
そんな彼女に口で勝てるのは、今は居ないアイツだけだろう…。
幾ら鈍感そうな彼女でも、忽然と消えたお局OLの所在が気になるらしい…。
以前から目にはついていたが、あまりにも酷い横柄な振る舞いをするお局OL。
部長から再三の厳重注意をされてきたにも関わらず、その態度を改めなかったのだ。
人事部と協議の結果、隣県の子会社へ出向となった。