ただ長く勤めているからといって、仕事が出来るかはまた別問題。
「そんなんじゃ、いつまで経っても仕事も教れないわ。
あー、斉藤さんてダメね…」
そして講釈を言うヤツの方が、自分の落ち度に気づいていない事が多い。
まさに、これ見よがしに先輩風を吹かすお局OLのコトで。
斉藤さんの指導役に回ってから、特に部内の空気が悪くさせていたのだ…。
「っ、気をつけます…、すみませんでした!」
「謝罪だけは得意よね?」
何も知らない新人に、失敗を求めない方が間違いだ。
そして、付け加えるなら。
勤続年数だけムダに長いアンタに、彼女の良し悪しを決める権利はないだろ?
電話を終えてひとつ呼吸を整えると、そのまま席を立ち部長室へと向かった。

