*coffret a bijoux*(SS集)

そうだな。



ピアニストなんて華やかな
職業についてても。



――やっぱりオレは、
こっち側の人間なんだ。



「……トオルいるかなぁ〜」



フーッと軽く息をついて
から、オレは再び口に
出してそう言った。



今向かってるバーの
マスターをしてる、オレの
昔馴染みの名前だ。



――旨い酒を飲ませてもらおう。



旨い酒で酔って、
気持ちよく眠りについて。



そうすればさっきまでの
退屈さも憂鬱も、綺麗
サッパリ忘れてしまえる。


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