「楽しかったわ日下さん。 素敵な時間を どうもありがとう!」 手を振りながら去っていく その女性を笑顔で見送るオレ。 角を曲がって彼女の姿が 見えなくなると、知らず 知らずのうちに大きな ため息がもれてた。 (……ピアニストはホスト じゃないんだけどね……) とは思いつつも、それだけ じゃ済まないのが大人の 世界のイヤなところ。 今のオレが有名ピアニスト として名をはせていられる のは、もちろんオレの腕の よさが最大の理由だ。 _