「う…………」



……悔しいけど、
返す言葉がない。



あたしは観念して言われた
とおり柊弥の首に手を
まわし、ついでに周囲の
視線を避けるため目も閉じた。



暗くなった視界のなか、
柊弥の囁きだけが耳をくすぐる。



「エジプトもいいけど、
このまま世界の果てまで
行っちまうのもいいかもな」



「バカ……何言ってんの」



そんな言葉であしらい
ながらも、頬が熱を持って
くるのがハッキリとわかる。



心地よい振動に揺られ
ながら、あたしも少し
だけ、それもいいかも
しれないって思ってた……。





       ☆END☆




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