考えていなかったその返事に、 「…何だよそれ」 間抜けな声が出た。 けれど冴子は何も言わなかった。 珍しいと思ったけど、言いたくないことを無理やり言わせようなんて気はない。 誰にだって言いたくないことくらいある。 結局それからあたし達は無言で教室まで行った。 ―――――――… あたしは知ってしまった。 誠くんの秘密なんだろうことを。