あたしは眉を吊り上げ、慌てて振り返る。 そこにはニッコリと笑う冴子がいた。 あたしは慌てて1組から少しでも離れようとする。 バレたらやばい。 とにかく冴子にはこの気持ちを知られたくなかった。 誰にも知られたくない、あたしの秘密な気持ちだった。 ワタワタ隠し切れない動揺に、冴子は首を傾げて怪しい目であたしをじーっと見つめてくる。 あたしはダラダラ流れ出てくる冷や汗を必死で拭う努力をしてみる。