「あ！このキーホルダー・・・もしかして、野球好きなの？」
「・・・え・・・？」

頭の上から明るい男子の声が聞こえてきた。
俯いてボーっとしていて全然気付かなかった私の心臓は、
飛び跳ねそうになってしまった。

「う・・・うん。甲子園とか・・・毎年好きで見てる」

口下手な私は、
いつもぶっきらぼうな言い方で、
周りに誤解されてきた・・・。
きっとこの人も――――――――・・・。

「俺も野球大好き！小学生のころからずっとやってて、甲子園目指したいなって思ってる」

――――――甲子園・・・。
私が憧れる、“青春”―――――――――・・・。

そして何よりも、
この人の目が、きらきらと
光り輝いていたこと―――――・・・。

それが一番、印象的だった。