図書館をでたとき、外は真っ暗だった。
バス停は人がいない。王子の言葉を思い出す。

あの不思議な体験からちょうど1週間。

またね、と王子は言っていた。だけど、王子はあれから一度も迎えに来てくれなかった。
やっぱりあれは夢だったんだろう、と自分の中で納得していた。

スクールバスがやってきた。急いで乗り込んだが王子はいない。やっぱり。残念だな…。

…残念?なんでこんな気持ちになるんだろう。あれは夢だったのに…。

いつも通りに出発したバスはどんどんスピードをあげた。あ、と思うと窓の外の景色がわからないくらいびゅんびゅん加速し、ぴかっと光った。