食事の後、ちゃんと片付けを手伝って、みんなにお礼を言った。
「・・・今までありがとうございました。ここに来るといつも楽しくて、いろんなことを学ばせてもらいました。それに、暖かさ、楽しさ、懐かしさ、みんなのおかげでいろいろと思い出せました。おかげで自分自身少し変われた気がします。…本当にありがとうございました!」

 一生懸命気持ちを伝えると、王子もおじいさん、おばあさんもいっぱい頷いてにっこり笑ってくれた。

少し沈黙があって、おじいさんが話し始めた。
「君がこの村を大切に思ってくれているのは、よく伝わったよ。ありがとう。ここはもう君の‘ふるさと’だ。」
「ふるさと・・・。」
確かにこの村を思う気持ちは‘ふるさと’という言葉がしっくりとくる。

「私は昔、小さな男の子に教えてもらったんだ。
‘心で見なくちゃ、物事はよく見えない。肝心なことは目に見えないんだ’
って。君はもう、そのことに気づいているはずだ。いや、本当は忘れていただけで、ずっと前から知っていたんだよ。」
え?・・・ずっと前から?
「君は本を読んだはずだよ。私の書いた本をね」
「おじいさんは飛行機に乗るのが大好きなんだ!」
と王子が言った。
本?飛行機?それじゃあおじいさんは・・・・目の前が突然光って思わず目を閉じた。

***