さんまの焼き魚、野菜の素揚げ、ふきのお浸し、かぼちゃの煮つけ、お味噌汁に白い炊きたてご飯のおにぎりが湯気を立てている。美味しそう。

「さあ食べよう。」と王子が言うので、ぼくは食べ始めた。


***

 お腹がすいた。やっぱりお昼にアンパンひとつでは足りなかった。
『必読!就活ナビ』を鞄にしまい、図書館を出た。夕飯は何にしようか。

 バス停にスクールバスが来た。バスに乗る人は、僕以外誰もいなかった。珍しいこともあるんだな。

「お腹がすいてるの?」

びっくりして隣を見ると、小さな男の子が座っていた。
おかしな服、長いスカーフ、ぼさぼさな頭、このあいだ読んだ『星の王子様』にそっくりだ。この子は星の王子様が好きなんだろう。

「これから楽しいご飯を食べに行くんだ。一緒に行こうよ。」
バスは新幹線のようにスピードを上げ、周りが真っ白く光った。