「ま、今の忘れて?」


そう言うと私を置いてツカツカと言ってしまった。


「え!?ちょ、待ってよ!」


私は小走りで棗くんに近づいた。
すると、クルッと回り、こちらを向いた。


「ごめんごめん。帰ろっか」


笑顔でそう言うと、「ん…」と手を差し出した。


私はぎこちなく手を添える。


「さ、帰ろう帰ろう」


そう言って歩き出した。


な、なんか棗くんのキャラが分からない……

優しくなったり、俺様になったり…


どれが”ホントの棗くん”?


棗くんがよく分からないよ…―――