「理衣奈…俺のこと嫌い?」
「へ?」
あまりにも真剣な目で聞いてくるものだから、マヌケな返事をしてしまった。
「俺はさ、理衣奈のこと好き。誰よりも好き」
「えぇっ!?」
私は思わず大きな声を出してしまった。
「返事はいいよ。徐々に好きにさせるから。いつか俺のことが好きって言わせる」
そう言うとニヤリと笑い、私を見下ろした。
「なっ!ありえないよ!棗くん、冗談はよして!」
「冗談でこんなこと言わないでしょ、普通」
「え……じゃ、じゃぁ…」
「俺は本気」
ニコッと笑うと私から腕を離し、ポッケに手を入れた。

