「もー、しょうがない。あたしが学校着いたら直してあげる!こんな事だろうと思ったから寝癖直しセット持ってきたのよ」


「おぉぉ!ありがとう、優里っ」


「はいはい」


優里は照れくさそうに笑うと、私から目を逸らした。


…優里…可愛い…

ニヤニヤしていると、優里が「…もうやってあげない」と真顔で言った。


「え!?ごめん!やだやだ!やって!!」


小さい子のように駄々をこねた。


それがまた面白かったのか


「ぷっ…だめだ、ほんと面白い」


と、優里がクククッと肩を揺らしながら笑いだした。


「もう!!面白がらないでよ!!!」


「ごめんごめん~」


謝る気がないの見え見えなんですけど…

優里はヘラヘラしながら吊り革に手をかけた。


もっと真面目に謝れないのかなぁ?全く!!