カバンを手に取り、また階段を駆け降りる。
「棗くんっ!行こっ!」
「そこまで急がなくてもいいと思うけど」
「今日ね、優里たちとも一緒に行く約束してるの!今思いだしたんだけど、急がなきゃ!」
「そういうのはもっと早く言えよ」
「そうだよね…でも今思いだし……」
「分かった分かった。ほら、行くぞ」
むっ。棗くんってばちょっとイライラしてる。
私がもたもたしてたから怒ってるのかな…
でもそんなことで怒らなくてもよくない?
棗くんの怒るポイントっていまいち分かんないや。
「置いてくぞ」
「わっ!あ、ちょ、待ってー!!」

